三重県多気郡大台町にある大杉谷に行ってきました。
大杉谷は、新潟県にある清津峡、富山県にある黒部渓谷に並ぶ日本三大峡谷のひとつです。
実は今回、大台ヶ原を登る予定でしたが大台ヶ原ドライブウェイが冬季閉鎖中で大台ヶ原に行けなかったため、大台ヶ原の反対側にある大杉谷へ行くことにしました。
大杉谷は2004年の台風により登山道が崩壊し、台風の被害があったあと10年後にようやく復旧され全面通行できるようになりました。10年という長い期間人が立ち入ることのできなかったのでありのまま自然を目にすることができます。
今回は、登山というよりはトレッキングに近いですが日本の滝百選に選ばれている「七ツ釜滝」を目指します。日本の滝百選のなかでもトップレベルでアクセスしにくい滝です。
本来なら大杉渓谷の最深部にある堂倉滝まで行きたかったのですが、時間的と体力的に日帰りでは困難だったため七ツ釜滝まで向かいます。
七ツ釜滝までも公式サイトのルートでは1泊2日のルートですが日帰りでも行くことが可能です。ただし、長距離の山道を歩くことになるので時間に余裕をもった登山計画にしないと厳しいかもしれないです。私も早朝に出発し、8時前に登山口に到着しスタートしました。
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大杉谷登山ルート
行き
大杉谷駐車場(7:45) 宮川第三発電所(8:00) 大日嵓(8:10) 京良谷(8:40) 千尋滝(9:15) シン淵(9:55) ニコニコ滝(10:10) 桃の木小屋(11:00) 七ツ釜滝(11:30)
帰り
七ツ釜滝(12:00) 桃の木小屋(12:30) ニコニコ滝(12:55) シン淵(13:10) 千尋滝(14:00) 京良谷(14:25) 大日嵓(15:00) 宮川第三発電所(15:10) 大杉谷駐車場(15:20)
活動時間:7時間25分(休憩45分)
大杉谷登山ルートはこのルートのみになります。
大杉谷渓谷沿いにひたすら歩きます。高低差はあまりありませんが、アップダウンの山道が続きます。
大杉谷登山口駐車場からスタートし、渓谷沿いにひたすら進んでいきます。登山道には、吊橋や滝を何ヵ所も通ります。
登山口から七ツ釜滝まで片道7km、往復で14kmあります。登山口までの移動時間を含めても大杉谷登山口から日帰りで行ける限界が七ツ釜滝までだと思います。
大杉谷登山口情報
所在地
三重県多気郡大台町大杉
駐車場
無料
30台程の駐車スペースがあります。
トイレ
登山口にあり。
アクセス
国道42号~県道603~県道53号
県道に入ると一車線のクネクネした山道が続きます。
備考
登山バスの運行もしています。
▲大杉谷登山口駐車場
事前情報では駐車場も混み、駐車するスペースがなくなるとのことでしたが、平日の朝だったので私の車しか止まってありませんでした。すでに、駐車場についた時点で圏外でした。電波が繋がらないのは、少し不安ですがトレッキングスタートです。
登山口駐車場から道路を10分程歩くと県道53号の終点です。宮川第三発電所のわき道を通って登山道に入ります。登山口までの道中にトイレが設置されており、トイレ横に入山ポストもあるので記入してから入山しましょう。
大杉谷から七ツ釜までの道のり
道のりは長いので最初の目標はシン淵にしました。大杉谷に行きたいと思った理由のひとつがシン淵からの景色でした。シン淵ブルーと呼ばれるエメラルドグリーンの渓谷に惚れてこの目で見たいと思い大杉谷へやってきました。
登山口に入ると階段の道になります。
渓谷沿いなので登山道が滑りやすくなっているところも多々あります。
入山して早速クサリがつながれた道になります。このような道は、普通登山の終盤で出てくるイメージでしたが、大杉谷はクサリの道が何ヵ所も出てきます。
クサリがつながれている登山道は、道幅が狭くなっていたり、すぐ横が崖になっていたり、転落の危険な個所に設置されています。
大杉谷登山ルート全体にこのような道が多くあるので一歩一歩慎重に進んでいかなければなりません。
▲大日嵓吊橋
一つ目の吊橋が出てきます。大杉谷渓谷登山では多くの吊橋を通っていきます。
個人的には吊橋を渡るのが好きなのでワクワクする登山道です。
渓谷沿いだけでなく、新緑の空気も味わうことができます。
人の手が入っていないのでありのままの自然を感じます。
渓谷見ながらの登山中心になるのですが川の水が透き通っていて綺麗です。
川辺まで行きたいと思っていても高さ数十メートルあるのでなかなか近づけません。この先に川辺まで行くことができる道になるので焦らず進んでいきましょう。
▲千尋滝(せんぴろだき)
登山開始から1時間30分で一つ目の滝、千尋滝に到着しました。
落差は135mあり、大杉谷でも一番大きな滝です。ただ、登山道からは全容は見ることができませんでした。千尋滝の近くには休憩できる場所もあるので、長い道のりではありますがここで小休憩。
ここ道なの~!?って思う個所もありました。
岩が濡れて滑るうえ、岩が崖側に向いているので一歩でも踏み違ったり一大事です。
進んでいくと、巨大な岩の間が登山道になっているところも。
迫力満点で自然の壮大さを感じます。
▲シン淵
登山口を出発して2時間程でシン淵に到着。大杉谷といえばこの景色です。
シン淵ブルーとも呼ばれる大杉谷の絶景ポイントです。多くの人はシン淵を見るために訪れます。断崖の間から見える滝はニコニコ滝です。
この辺は川辺まで行くこともでき上を見上げれば百メートルくらいはありそうな断崖の下にいます。
▲川の水もこんなに透き通っています。
間近で見るより上から見た方がもっとエメラルドグリーンに見えます。川を見ていると魚も泳いでおり、まるで絵画の一枚のようにも思ってしまいました。
シン淵から見えていたニコニコ滝へ向かいます。
川辺をいったん登り渓谷沿いをまた歩きます。
▲ニコニコ滝
落差50mあります。シン淵から15分程で到着します。
高さも水量もあるので迫力満点です。実は、ニコニコ滝は写真の上部にも滝になっており、三段の滝になっています。ニコニコ滝の近くにも休憩スペースがあるのでここでも小休憩。
桃の木小屋に向かいます。
巨大な岩が出現。
さすが秘境!っていうより自然の力は素晴らしいです。この岩は回避して左から登って行く道があります。
桃の木小屋までの道のりはこれまでの道と変わりません。
シン淵周辺は滝や吊橋など見どころが多かったので少々退屈な道のりが1時間弱続きます。
桃の木の家まであと少しのところでこれまでとはエメラルドグリーンの輝きが一段と綺麗な場所がありました。
吊橋の向こうに見える建物が桃の木小屋です。こんな山奥にこれだけ大きな建物があります。
登山口から登山道を進むと木標で桃の木小屋まで○○㎞と書いていたのである意味、七ツ釜滝まで行くのに桃の木小屋を目標にして進んでいました。
標準時間では4~5時間となっていましたが3時間ちょっとで到着できました。ここまで、誰一人ともすれ違ったりしなかったのでここにきて安心感がありました。
秘境を独り占めしてとても気持ち良かったのですが多少の不安感もありましたので。
桃の木小屋は宿泊もできますが、今回は日帰りなのでそのまま通過します。500円払えば桃の木小屋で休憩することもできます。
桃の木小屋から七ツ釜滝までもうちょっとです。
途中また面白い道がありました。巨大な岩を切ったような道です。
どうなってこんな道ができたかは不明ですが本当に自然の力のすごさを実感します。
▲七ツ釜滝
ついについに、日本の滝百選にも選ばれている七ツ釜滝に到着しました。距離にして約7km、道のりは長かったですが達成感半端ないです。
写真だと七段の滝には見えませんが肉眼で見るとちゃんと七段になっています。
ここにも休憩所があるので七ツ釜滝を見ながらお昼ご飯にします。
時間的に頑張れば大杉谷の最深部の堂倉滝まで行けるかな~と思いましたが、ここまであまり休憩も取らず、いいペースで歩いてたので帰りの体力を考えるとつらそうだったので断念して登山口に折り返します。
帰り道も来た道をそのまま戻るルートですが、写真を撮り損ねた場所やシン淵などもっとゆっくり見たかった場所を眺めながら登山口へ戻りました。
大杉谷トレッキングの感想
大杉谷を歩きましたがとても良かったです。数々の絶景スポットや飽きないバリエーション豊富な登山道でした。
普段している登山よりも長く歩いた気もしますし、大自然の中にある絶景も何ヵ所目巡ることもできました。今まで秘境と呼ばれるところにも何ヵ所も行きましたが大杉谷は登山道までのアクセスも登山道から七ツ釜までの道のりもトップクラスの秘境と言っても過言ではありません。
私の体力では大杉谷の日帰りで行ける限界は七ツ釜滝までだと思いました。七ツ釜滝から奥の方にはさらに秘境感を感じられるスポットもあるらしいので、次回は山小屋に宿泊し、大杉谷最深部まで行ってみたいと思いました。
トレッキングと言っても、装備はしっかりとした登山装備で行きました。大杉谷は滑落事故も多数あり、決して簡単な登山道ではありません。初心者の方や軽装な格好では危険です。何ヵ所も滑落しそうな道もあり、普段から山を歩きなれている人でないと厳しい道のりです。また、電波も圏外なので万が一の際に助けを呼ぶこともできません。そのうえ、大杉谷や大台ヶ原一帯は豪雨地帯でもあるので天候が急に変わることも考えられます。万全な体調で大杉谷へ行くようにしてください。それだけの環境だからこそ見える景色が魅力的な大杉谷です。
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